「一人生え(ひとりばえ)の木」って聞いたことがありますか?
これをお庭に見つけたら、すぐさま引っこ抜くなど処分をしなければ危険なのです。
ひとりばえのき、という、樹木の名前ではありません。
植えた覚えがないのに勝手に生えてしまった木のことをいいます。
鳥が落としたものの中に混じっていた種とか、水や風で運ばれてたどり着いた種。
こういった種が庭で根付いて芽生え、育ったのでしょう。
一人生えの木は小さいうちに処分すべき
一人生えの木は、いつのまにか大きく育ってしまうことがあります。
苗木のうちに見つけて抜いてしまえばいいのですが、大きくなるまで放っておくとどうなるでしょうか。
塀や建物を壊したり、水道などの配管にダメージを与えたりする恐れがあるのです。
石垣の隙間から出てきたりコンクリートの下から押し上げてきたり、植物のパワーってすごいですよね。
何かを破壊しないまでも、植えてもいない大木が庭で育ってしまったら、伐採して処分するにもたいへんな労力が必要になります。
なので、一人生えの木を見つけたら、できるだけ小さい苗木のうちに処分するのがおすすめです。
見つけたらすぐ処分!危険な一人生えの木7選
ここからは、特に注意すべき樹木をご紹介していきますね。
桑の木
桑の木は、カイコの餌として昔から広く栽培されてきました。
最近は、青汁としても利用されていますし、実も美味しいです。
やわらかい葉で雑草のように生えてきますが、あっというまに大きくなってしまいます。
ずっと前に、川岸に巨大な木があって黒っぽい実をたくさんつけるのでなんの木だろうと思って調べたら、それが桑の木でした。
放って置くとたいへんなことになりますよ。
シンジュ
見た目が漆に似ているので「ニワウルシ」とも呼ばれるシンジュの木。
公園などで木陰を作ってくれる大きな木です。
ウルシと呼ばれてもかぶれませんし、ニワと付いていても庭に植えてはいけない木なのです。
とても成長が早く、あっという間に伸びるのです。
また、他の植物の成長を邪魔する「アレロパシー」という作用をもつので、他の庭木に良くない影響があるかもしれません。
ピラカンサ
トキワサンザシともいい、秋になると真っ赤な実をたくさんつけるピラカンサ。
美しいので生け垣としても植えられますが、けっこう危険なトゲがあります。
成長が早くこまめな剪定が必要なのに、トゲが刺さるととても痛くてたいへんなんだそうです。
また、一本で育つと大きな木になってしまいます。
赤い実を鳥が食べて、種をばらまいていきますので一人生えの木になることがあります。
シュロ
シュロの木は皮の繊維が固くて、たわしやほうきの材料になります。
この強力な皮はチェーンソーを壊してしまうほどで、とにかく処分がたいへんなんだそう。
勝手に生えることも多いノラジュロは、生態系や環境に悪影響。
見つけたら小さいうちに処分しましょう。根から掘らなくてもカットするだけでもOKです。
モチノキ
モチノキ、モッコク、クロガネモチなど似たような木がいろいろありますが、どれも巨木になります。
縁起が良く人気の庭木ですが、一人生えの木になるとたいへんです。
とても強い木なので、勝手に生えてきたら早めに処分するようにしましょう。
エノキ
エノキはもともと、漢字で書くと餌の木。鳥たちが好む赤い実がなります。
というわけで、鳥たちがあちこちに種を落として回ることになり、一人生えになりやすいです。
成長が早く大木に育ちますので、早めに処分しないとたいへんなことになります。
クスノキ
巨木といえばクスノキですね。古い神社で御神木になっていたりします。
長生きもしますが、成長もとても早いです。
とても民家の庭先で手に追える木ではありません。
葉っぱにはツヤがあり、 樟脳を含むので、もむとさわやかな香りがします。
発見したら大きくなる前に処分することが大切です。
まとめ
一人生えの木として、知らぬ間に芽生えて育ってしまったら危険な樹木を7種類、ご紹介してきました。
もちろん他にもいろいろありますが、繁殖力が高くて成長が早く、大木になってしまう樹木には注意です。
どんぐりやいちょう、もみじの木も芽吹きますし、育てば大きくなりますよね。
大事な建物やお庭を破壊されないように、植えた覚えがない「一人生えの木」を見つけたら、早いうちに処分するようにしましょう。